アメリカのカジュアルなバーでは、ビリヤードやダーツなど気軽に楽しめるスポーツ・エリアを設けたべニューが多く存在しますが、 そのスポーツにも流行り廃りがあり、過去数年間のニューヨークでは卓球やボーリングが一世を風靡。 べニューによってはセレブを交えた大会を開催するなど、大いなる盛り上がりを見せていたのは記憶に新しいところ。
そしてそのバー・スポーツの中でも最新トレンドとして近頃話題になっているのが、“シャッフルボード”。
シャッフルボードの歴史は不明な部分が多いことが伝えられていますが、15世紀にイギリスで行なわれていた “ショーブボード” と呼ばれるスポーツを起源とし、19世紀に船上で行なうレクリエーションとして広まったスポーツ。 エア・ホッケー、ボーリング、クロケット、ビリヤードなど、様々なスポーツのエレメントを持ち合わせ、クルーズ船の上で楽しまれているほか、アメリカでは老人ホームなどの高齢者施設で人気が高いことで知られています。
そんなシャッフルボードをバーに取り入れたのが、ブルックリンの “ロイヤル・パームズ・シャッフルボード・クラブ”。 “ゴワーナス” と呼ばれるブルックリンの新興エリアに登場し、ブルックリンのヒップスター達の新しいホット・スポットとして人気急上昇中です。
ブルックリンのゴワーナスはもともと小さな工業地帯だった場所。 エリア内にはまだ荒涼とした雰囲気が漂っていますが、過去1~2年でお洒落なバーやクラブ、そしてカフェやレストランンなどが続々と登場。 最近ではホールフーズのブルックリン第1号店がオープンし、近いうちに高級コンドミニアムの建設も予定されている大注目のエリアです。
そこにある空き工場を改築したロイヤル・パームズ・シャッフルボード・クラブは、シャッフルボート10コート、そしてバー・エリアを設けた約1600㎡の巨大なスペース。 先述のように、シャッフルボードはもともと高齢者の間で人気のスポーツですが、アメリカの高齢者施設はフロリダに集中しているため、店内はその要素を用いてフロリダを連想させるトロピカルなイメージに仕上がっています。
さて、気になるシャッフルボードのルールですが、チームを構成するのは2人で、対戦するのは1コートにつき2チームずつ。 全長約12mのコートの中に描かれたトライアングルにはそれぞれ違う得点が定められていて、専用のスティックでディスクを押し飛ばし、より高い得点のトライアングルにディスクを入れ、得点を競い合うというもの。
激しい運動ではない上に、次に自分の出番が回ってくるまでに適度な時間があるため、お酒を飲みながら行なうには最適なスポーツ。 さらに、高い運動能力や技術を必要とするわけではないため、老若男女問わず、誰でも気軽に楽しめるという利点があります。
コート代は1時間40ドル前後という手頃なお値段。 ドリンクだけでなくフードもサーブされていますが、キッチンを設ける代わりに同店ではフードトラックを用意。 ロブスターロール、クレープ、サンドイッチなど、日替わりで違うフードトラックを楽しむことができるのもまた、同店の醍醐味となっています。
初のシャッフルボード・バーとして登場したロイヤル・パームズ・シャッフルボード・クラブは、不動産価格も上昇中のパークスロープ、プロスペクト・ハイツ、ボーラム・ヒルに囲まれたエリア。 若いプロフェッショナルやファッショナブルな学生達の他、アーティストや学者も集中する人気エリアに囲まれているだけに、さまざまなクラウドを惹き付け、年々発展が続くブルックリンにふさわしいべニューとして人気を高めることが予想されています。
text / ELIE INOUE
名称 | Royal Palms Shuffleboard Club |
住所 | 514 Union Street, Brooklyn |
TEL | (347) 223-4410 |
website | http://www.royalpalmsshuffle.com/ |
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